「経営のプロフェッショナル」としてサポートするイメージの強いコンサルタントですが、人事コンサルがメスを入れる課題はさらに広いものです。
人事コンサルタントは人と組織の成長の支援に取り組むため、社員教育やグローバル化に伴う人材の獲得・定着化、M&A後の人材リソースの活用方法など、多様化する人事ニーズに応えます。
人事コンサルタントの主な業務は以下の3点です。
勝てる企業を目指すには、適切な人件費の設定や人事評価を行なう必要があります。人事コンサルタントは経営戦略や経営計画にもとづき、業態・業種・企業の大きさに見合った等級フレームを構築。従業員にとって、キャリアパスや等級ごとに求められる役割・責任が明確になります。また業績に応じた賞与や報奨金、給与を得られることで従業員の不満が減り、離職率の低下に繋げるのも、人事コンサルタントの役割です。
人事制度は、単に給与・賞与を上げれば解決する課題ではありません。内部の人間で変更すると「公正な制度」とは見えず、揉める可能性も。人事コンサルタントが対応することで、不満の少ない人事制度を構築できます。
従業員の成長や採用、配置など、人というリソースを最大限生かすための戦略を立てるには、環境や人材育成フローなど、さまざまな点を考慮する必要があります。
同業他社の動向・業界の変化を把握しながら、自社の風土・価値観、必要とする人物像を明確にすることが大切です。1つひとつの要素をバラバラに考えるのではなく、業務と組織体制の整合性・一貫性がとれているかを人事コンサルタントは考えます。
また1人ひとりの力を最大限引き出すために、労働法規制や働き方改革など、社会情勢との乖離(かいり)がないか確認することも欠かせません。
複数の会社が1つにまとまるM&A後の組織統合には、これまでに従ってきた制度がそれぞれの企業にあるため、起業時とは異なる難しさがあります。上手くいっていたものも含めてまっさらにして新しい組織をまとめる際には、反発・不満が上がりやすいものです。
自社の制度・フロー作成までは対応しきれても、組織統合は難易度が高く、何から手をつけれいいのかわからない企業も多いでしょう。だからこそ人事コンサルタントの出番になります。
組織の価値観・仕組み・スキル差の課題を明確にするとともに解決へ導き、M&Aの目的であるシナジー効果を高めるのが、人事コンサルタントの仕事です。