ERP系コンサルティングは、パッケージに対する専門的な知識はもちろん、顧客が行っている業務内容に合わせてソフトを改善していくためのスキルが要求されるものです。
このため、各社のパッケージの内容にも特色を持ったものが多くなっています。
ここでは、その中でも代表的な企業を紹介します。
本社をドイツにおいている、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社であるSAPの日本支社です。この会社は、1972年にIBMを退社した5人のエンジニアによって設立されました。
現在では、売上高が世界で第4位のソフトウェア企業と、大企業向けのエンタープライズソフトウェアにおいて他を圧倒する独占率を誇っています。
また、世界中のビジネスプロセスの50%以上は、SAPシステムにかかわりがあると言われています。
SAPには大きく分けてソフトウェアライセンス、コンサルティングサービス、エデュケーションサービス、サポートサービスの4つを柱にビジネス展開を行っています。
さらに2008年にはビジネスインテリジェンス業界で最大手であったフランスのビジネスオブジェクツ社を買収するなど、業界をリードしていく存在でもあります。
米国企業であるオラクルコーポレーションの日本法人で、1985年に設立されています。
オラクルコーポレーションが開発したソフトウェアであるOracle Databaseは、世界的にみても大きなシェアを持つデータベースを管理するシステムソフトとして有名です。
他企業の買収を繰り返すことで、オラクルコーポレーションは、2008年には世界で第2位のソフトウェア制作会社となりました。
日本でも事業を開始してからわすか2年間で日本市場のトップシェアを獲得するのほどの勢いを持っており、外資系企業としては異例の速さでの成長だと言えます。
1999年には外資系ソフトウェア会社としては初めてとなる株式の店頭公開を行い、その後、東証一部への上場も果たしています。
この会社は、日本で唯一大手企業向けのERPを販売している会社です。
創業して以来「日本企業の情報投資効率を世界でも通用するレベルへ」ということを理念として掲げており、日本の商習慣に合わせたERPパッケージである「COMPANY」を制作、発表を行いました。
それまで、日本には、大手企業向けの国産ERPパッケージが存在しておらず、オーダーメイド・システムや海外のソフトを自社に向けてカスタマイズしながら使用することが基本となっていました。
ITにかけるコストを減らすことで、国際的な競争力を企業につけさせることを念頭に、同社では、予め日本の企業向けに最適化がされたERPパッケージの制作をコンセプトとしています。
マイクロソフトは、アメリカが本社の知る人ぞ知る世界最大のコンピューター・ソフトウェア会社です。
これまでの数々の事業や、それに伴うソフトウェアに加えて2002年にはデンマークの企業を買収して、Microsoft Business Solutions事業部を設立しました。
この事業部からはERP製品やCRMを販売しており、同社の製品と同期が図れる点や連携性に優れている点が特徴となっています。